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展覧会

Challenge Art in Japan 2013
チャレンジ・アート・イン・ジャパン2013
韓国人留学生による現代アート展

開催期間

2013年11月19日(火)ー30日(土)
10:00-17:00 日曜日 開廊 入場無料

シンポジウム

2013年11月24日(日)
会場:韓国文化院(2F)
15:00-17:00 日曜日 開廊 入場無料

金 英順(美術史家, Director of The New Wave of Korean Culture Bureau )
李 仁範(祥明大学校教授)
高階秀爾(大原美術館館長)
南嶌宏(女子美術大学教授)

【韓国文化院 シンポジウム】
Exhibition Archives

主催

駐日韓国大使館 韓国文化院 
韓国文化院 ギャラリーMI  (入場無料)

後援

art in culture、art in ASIA(韓国)
多摩美術大学校友会、武蔵野美術大学校友会、東京造形大学校友会、女子美術大学同窓会 

スタッッフ

崔 貞伊(2013年多摩美術大学 芸術学科4年在籍)
梁 丞延(女子美術大学 大学院芸術文化専攻美術史領域修士課程2年)
パンフレット・デザイン:金賢雅(2012年多摩美術大学 グラフィックデザイン科卒業)
ポスター、チラシ・デザイン:金マリナ(多摩美術大学 グラフィックデザイン学科広告コース3年在籍)  

キュレーター

上田雄三
運 営: 有)キュウコンセプト/ギャラリーQ

企画趣旨

この度「チャレンジ・アート・イン・ジャパン2013」が開催されるはこ びとなりました。
本展覧会は日本に在住する韓国からの美術系大学に留 学をされている学生を対象として選考いたしました。
日韓両国の歴史は芸術・文化の交流を通じて育み、互いの文化に触れ合 うことで多くの知識や英知を学んできました。
本展覧会は多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京芸術大学、女子美術大学、東京造形大学に在籍する現役の留学生たち、
卒業された人たちによる展覧会です。彼女等も再び祖国に戻る日が来るかもしれません、この地にて励んだ 成果を韓国
文化院ギャラリーMIに一堂に集めて、今後毎年開催を予定しておりますので、是非ご高覧ください。
(文責:上田雄三)

会場風景

リンク

Art Works

Park Jungin

朴 貞仁(パク・ジョンイン)


2013 東京藝術大学美術研究科研究生在籍



我々はいつの間にか生まれていて、それぞれある家、ある都市、ある国で生きている。
誰が我々を作って、どうしてこういうところにいるのか、理由は分からない。

「City of Secrets」は我々が生きているこの世界は、もしかして目に見えないある
存在によって決められて動かされていることはないだろうかという仮定から始めた。
人間は各々が異なる「人生」が生きてあり、肉体も別々の「空間」で生きている。
「City of  Secrets」はこの空間の最小単位である人と都市に関する話である。

作品で表現している空間は生きている物質的な空間の意味だけではなく、
社会、文化、歴史などの様々な分野で広がった精神的なものである。

作品を通じて、誰かに作られ、「虚構の世界」であるかもしれない今の「都市」
と人について一緒に考えたい。


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Park Nahyun

朴 娜 (パク・ナヒョン)


2013 東京藝術大学大学院美術研究科
先端芸術表現博士課程1年在籍



私には現実の自分とは違う性質・姿のもの、つまり他のアイデンティティになりたいと思う欲求がある。
そして、そのような欲望が体現された結果物であり、空想の話に存在する境界が解体された生き物を、自分が作
り出した仮想のペルソナ(=別の人格)として具現したいのである。
 私は主に自分が創造したキャラクターを中心に、絵画やドローイング、レリーフの立体など、様々な媒体を用
いて作品を製作している。「Mega-Pet」と名付けたこのキャラクターは、私が常に行っている空想から生まれた
ものだ。混成変異の存在に自分の内面を映し、現実では自分のペルソナの裏に隠している素顔や欲望をあらわに
する。「Mega-Pet」はそういった表現の媒体であり、自分にとって理想的な生き物の象徴である。

「Mega-Pet」とは何か
 異質のもの同士が合体した生き物である「Mega-Pet」の物語は、ペットとしてもっと人間に簡単に扱われるた
め機械が 差し入れられた「Mega-Pet」という種の生物が、終には自分たちの生きる自然環境に適応しながら、
自然 ではないもののそれらなりの生態系を作り上げ生殖するというものである。ペットの意味から始めたた
め、私はそれらにペットにするように名前を一匹ずつ付けており、その際は「Mega - pet Name:名前」のよ
うに表記している。

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Shin Jaehwa

申 栽和(シン・ジェファ)


2013 武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程修了




—記憶について−
 理解できないにも拘らず、ある特定の行動を反復してしまう時がある。そういう行動は大抵、問題が起きない
限り気づかずに続く。しかし、それが日常生活に支障をきたしてやっと、何かしらの「してしまう」特定の行動
に気付き「何故」という疑問を問い掛け始める。
「何故」明らかに自分に害になることが分かっているにも拘らず、ある行動を反復してしまうのか。このような
強迫的反復の背後には何があるのか。
  このような疑問が絶えずつきまとっていた。これらは、食べるという行為を、強迫的に反復した私の経験から
始まった が、この根源を探っていくと「記憶」という極めて普遍的なものが関係しているのではないかという気
がした。
 その「記憶」というものは、経験当時には理解できなかったが、私の中に強烈に残っており、後に何の前触れ
もなく突然、奇妙で不安な感覚と共に現れ、我々を捉えては消えることを繰り返していく。これが現れる度、理
解できない反復行動も行われる。「記憶」の反復が、行動の反復をひきおこす。
 我々が「記憶」という目に見えない、手で掴めないものに気づくことができるのは、それが影響を及ぼし行動
となって何度も現れるからだ。
 この展覧会では、繰り返し現れては消える「記憶」というものを、「反復」という美術表現を用い、存在と非
存在の間にあるものとして表現につなげようと試みた。

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Choi Vangsil

崔 方實(チェ・バンシル)


2013 武蔵野美術大学芸術文化学科卒業



遊戯の間に性質を抱いているから、
結局自分が何を楽しんでいるか忘れられる。
そんな中で私たちは何かを逃しているだろう。

欲求の中で戦略を立てて
戦略の中で楽しんでる自分を見る。
そして自分自身と遠ざかるように対面。

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Kim Jieun    

金 枝垠 (キム・ジウン)


2013 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻4年在籍



私は変りやすいもの、不安定なものに興味があり、主に“記憶”を作品のテーマとして研究しています。
私にとって昔の記憶というのは、本当は当時の出来事をそのまま覚えているのではなく、誰かに聞いたことや、
写真などに残っている情報が合成され勝手に美化されたり、変形しやすいものなのだと思います。このような
記憶の可変性と不完全性を人間味として捉え、記憶の蓄積と巨大な時間の流れを肯定的な視点をもって表現し
ていきたいと思っています。

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Gu Youngeun



具 怜圻(グ・ヨンウン)


2013 多摩美術大学大学院修士課程彫刻専攻2年在籍



"風"、"風景"の存在感や生命力

私にとって、"風"は山を超えて、海を超えて、世界を巡り、何よりも強い生命力を持って存在しています。
その"風"には、目には直接的な形としては見えない存在でありますが、様々なストーリーがあり、季節に
よって温度差も変化して行く不思議な存在だと思います。又、その風は人の心を動かして、美しい風景を
表します。

「The tinkling of a wind-bell」の作品は、風が立ち寄った場所を一つの風景であります。様々な風景
の中で、特に木、木の枝が風に揺らいでいる姿、動き、そこから生まれる不思議な空間感がとても美しい
風景として見えてきました。それで自然つまり風の強い生命力と存在感に同化していく人間の姿を風景と
して表現しようとしました。木=人、人=木、自然と人間が一つになって、美しい風景を表現したかった
です。私の作品を見て、美しい冬の風景を感じられたらとても嬉しいと思います。

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Yu Seunghee

柳 昇煕   (ユ・スンヒ)



 2013 多摩美術大学絵画学科日本画専攻4年在籍


大人になっていきながら、幼いころと違い、未来について大きな夢を抱くより、不安と絶望を感じるよう
になる場合が多いだろう。私も現実の中で生きながら、様々な事に心が傷ついたり、諦めたくなったりす
るのであるが、道で咲いている美しい花をじっくり見ると、全ての不安をしばらく忘れるようになり、傷
ついた心が癒される。いつ、どこで見ても美しい花は自分の生活の中で、また絵を描く人として重要なモ
チベーションとなる。その花の美しい形と色は自分の絵の中で治癒の素材として再生する。私は絵の中に
描かれている花々が鑑賞者をして治癒を感じさせるようになり、私と鑑賞者の間を繋げるコミュニケーシ
ョンの媒介となるのを望んでいる。


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Yu Kyungjin

兪 京辰 (ユ・キョンジン)


2013 多摩美術大学大学院美術研究科博士
前期課程日本画研究領域修了


私が研究しているテーマは夢だ。2年前にあった東日本大震災以来、津波に襲われる夢や海で突然竜巻に
襲われる夢など、夢の中で死んで、目を覚ますと生きている経験は自分にとって不思議な経験であり、生
きていても死んだ気持ちは言葉に変えないぐらいの強烈なものである。作品に描かれている人物は夢の中
でみた人物で、この世の者ではなく、死者のように感じる。しかし、この人物から感じる皮膚感覚と脈々
する心臓からの動き、音は人間のいわゆる「生」を感じるのだ。生と死は夢の中で共存し、「生きる」と
いう強烈なエネルギーと「死ぬ」という静的、「無」は震災のとき亡くなった大勢の犠牲者、そして生き
残った人々を表しているのかもしれない。

夢から生まれたこの作品が観る人々に斬新な影響を与えられるように制作に臨んだ。

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Kang Sunyoung

姜 善英 (カン・ソニョン )


2012 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程修了


絶えず急速に変化しているわれわれの日常は憂鬱、混沌、断絶に囲まれている。
こんな感情は自分に対して持続的に問いを投げかけるようになって,私はますます疲れていく。
私はありふれた日常物という媒体を通じて、人が持つこの感情を視覚化している。
日常物は画面の中で絶えず増殖しする、反復されたイメージと結びつき、自分が持つネガテ
ィブな感情は画面の上で消費させて、また新たな感情(ポジティブ的)が生成することになる。
媒体として登場する建物、封筒、筆記具、画材、などは基本的に普遍的なイメージを持って
いながら自身による主観的な変容を通じて新しい意味をつくっていく。 
考えて見ると、絵は自分にとって創作による単純な結果物ではなく、その行為とプロセスが
治癒として利用されることが重要であるかもしれない。

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Kang Jiyeon

姜 智演 (カン・ジヨン)


2013 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科
メディア芸術コース4年在籍


自然は夢を見ない。未来も可能性も見せない。想像力も創造力も、芸も能もない。
ただ、今この瞬間を生きるだけ・・・。まさに完全である。しかし人間は夢を見る。未来の可能性を追求し、
沢山考えて沢山作り出す。それはつまり人間が不完全であるからこそ出来る行為だと考える。純粋であろう
と不純であろうと私はその「不完全さ」に情を感じる。オブジェから循環し続ける血液は完全と不完全を繋
ぐ和を表す。流れ落ちる液体を見つめていると、人工的循環と自然的循環が対面しているという事実に気が
つく。循環だけが起きる瞬間と空間の表現である。
イチゴをモチーフとしたこのオブジェは色も形も素材も人工的に造形されている。しかし完璧なイミテーシ
ョンや再解析はこの作品では見られない。ただ小さな子供が一生懸命描いた絵日記のような、その程度の形。
その形が示すのは、完全という自然への憧れである。


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Park Sanghee

朴 常希 (パク・サンヒ)



2013 多摩美術大学大学院美術研究科日本画専攻1年在籍



私は時々深い考えに陥るときがある。そんな時、ふと私を認識するのが私ではなく他人の立場で私を認識
していることを感じる。自分自身を他の視覚で見るということは、しっかりした自分の存在が揺れている
ということ、つまり自分よりも他人の目をもっと意識しているのである。我々は自分の思うように行動す
るが、社会生活をしてみると他人の考えに反応して、従わなければならない時がある。このような状況か
らくる葛藤が人の両面性を作ると思う。悲しいけど笑わなければならないときがあり、嫌いだけどしなけ
ればならないことがあるように、人間は内面に様々な心を持って生きていく。このように人生を生きなが
ら感じる様々な心を絵を通じて隠喩的に表現することで葛藤を解消したり、他の人からではなく、私が持
とうとする真の心は何かを考えるようになる。
鑑賞者さらに、自分の作品を通じて一度くらいは上辺に見られる外面ではなく、自分の真の内面につい
て考えて見て、自分自身を振り返ってみることができる機会になることを望む。

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Ku Gippeum

具 ギプン(グ・ギプン)



2013 女子美術大学大学院美術研究科洋画専攻修士2年在籍

私の作品は東洋的思想と哲学の空間性と色使いをもって、点、線、面の簡潔な芸術行為に完成している。
色彩と形態は、新しいものよりありのままの拡張という方を理解しても良さそうだ。余白を楽しみなが
らも混成イメージ、複合構成、多層空間など現代絵画が持っている特徴をそのまま描き出そうとし、現
代抽象絵画は『絵画そのもの』に目的を置くことによって絵の『自律性』を強調している。
人為的な要素はできるだけ削除して、ただそこにあったように自然に作品を制作するという点が特徴的
である。
私の作品は幾度の重なりと繰り返しを軽て出てきた深みのある色を主に使用する。
これだけに、装飾的に軽い色より深みがあり濃い味が漂う。
キャンバスの上に表れる紙の質感、長い時間と労働力を必要とする反復的な過程を物語る。
自発的なタッチと絵の具が出会って生み出される滲みと流れ、擦り筆の効果もまた、作品の誕生過程に
おいて表現の節制が強調されている。
時には早く力強く、時には遅く、または柔らかく律動的に動くような黒い線がうかがえる力ある筆のタ
ッチと速度を調節した線の跡、速く描いた通じて線の美学に基づいた東洋的思想を表す水墨画に近付て
いる。


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Ryu Seungwon

柳 承媛 (リュ ・スンウォン)

2013 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域3年在籍

人と人のコミュニケーションから生まれる関係性や感情に敏感に反応する。
だからこそ人ではないもの、
自分のすべてを知っている空とか
子供の頃から見慣れた遠くから眺める山のシルエットなど
いつも一緒にいる自然にふと声をかけてしまう。

風景をモチーフとして使い、人とのコミュニケーション・社会の中の私を画面上に投影する。
その行為によって私はエネルギーをもらう。
画面の前では裸で向き合っていたい。

最近やっと作品を作ることの目的や手段が見えてきている。
これからやっとスタートラインに立って、始められるかもしれない。


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