全きボイドからの手記／創作についての書き捨て1・2

表現する人間であれば社会の中で自己のまだ透明な部分を(せめて作品に
おいては)保持するのが、まあ筋だと思うのですが、例えば絵画をインテ
リアとして捉える場合、時にそれは悪質に変化します。僕の作品は個人的
な、ある思い出の退廃に繋がるドアを通過して、まだ言葉になる以前の
より直感的で意味不明の何か。つまり目に見える現実を裏付ける存在そ
れ自体のデジャヴであり、その拙い断片／結晶または創作半ばの残骸です。
そして後には得も言えぬスパークの霊感だけが残ります。
「アレ、暗闇の核心に光が見える…？」何れにしろ現実の目的が、無意味な
夜の夢を一層深める事に役立つ訳です。

（私水 亮太）